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日本税理士会連合会による寄附講座(平成30年度・第1回)を開講しました

~「歴史から考える日本人の納税者意識-戦後日本は何を失ってきたのか-」~

 平成30年10月4日,平成30年度第1回目となる日本税理士会連合会による寄附講座を開講しました。
 本講座は,平成29年度から平成31年度までの3年間,将来の租税教育を担う教員の養成を目的として,「社会科学入門(財政と租税)」を日本税理士会連合会による寄附講座として開講しているもので,わが国の税制・財政の役割と現状を学ぶ他,税・財政の授業に関する指導案及び教材作成や,模擬授業の実践などを学びます。
 平成30年度の第1回目では,北海道税理士会租税教育推進部長の有田眞人氏をお招きして,「歴史から考える日本人の納税者意識-戦後日本は何を失ってきたのか-」と題した講義が行われました。
講義は,有田氏の自己紹介,ご自身の海外渡航経験から現地で耳にした国外の税金に関するお話から始まり,受講生の税金への興味・関心を高めるきっかけになりました。
 次に公債残高の推移・債務残高の国際比較や国の歳入・歳出などのグラフを用いて,日本財政の現状について詳細に説明していただきました。具体的には税収の減少と歳出の増加が続く「ワニの口」という現象についてです。財政健全化のために,プライマリーバランス,つまり基礎的財政収支の黒字化を目指すべきなのですが,現状は歳出が税収を上回るという「崩れ」が存在しています。この「崩れ」が財政破綻したギリシャのように,いつどんな形で私たちの生活に影響を与えるかはわからないのです。
 このように,改善するべき「崩れ」が存在する状況でも私たち国民の中には,税とは「取られる」ものであり「納める」ものではないという,一種のねじれた意識が存在するのは事実ですが,「この二つの意識は,日本が歩んできた歴史に起因する」との説明がありました。
 話は三国時代の歴史をまとめた史書の『魏志』倭人伝にまで遡り,「租」という形で納税が始まったところから,飛鳥,奈良時代,それ以降と,時代区分に沿って当時の税のあり方について解説いただきました。江戸時代に差し掛かったところで,重税に耐えかねた農民による一揆が始まったことから,江戸時代が「納める」税金から「取られる」税金へと変化する一つのポイントだった,という説明は非常に印象的でした。
 続けて,日本には戦後に設けられた年末調整制度と申告納税制度の併存が日本人の税の捉え方に影響しているという指摘もありました。有田氏は,日本国民には「痛税感」がないと言います。「痛税感」がないというのは,国民の税金が源泉徴収や年末調整によって処理されるため,このような流動的な税金の処理の過程では収入が減るという痛みを自覚しにくいということです。そのため,痛みを取り除くための行動を起こすために政治へ参加する意識が育たないということになります。
 また,福沢諭吉『学問のすすめ』における税金の捉え方やアメリカ独立戦争のきっかけとなったボストンティーパーティー事件における「代表なくして税なし」といった言葉の引用からも,納税という行為を通して人々は自律的な社会を作り出していくということを確認できました。
 質疑応答の際には,受講学生からは課税の公平性についての質問が挙がり,税への関心が深まった様子が見られました。本講座の目的は,受講者が日本の教育を担う者として税に対する関心・理解を深め,教壇に立った時に正しい租税教育を実践できるようになることです。今回は,その目的に沿うように受講者が納税者としての意識を強く感じることができた講義内容でした。


北海道税理士会租税教育推進部長 有田眞人氏


講義で使用した「公債残高の推移」のグラフ


講義の様子

 

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