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センターの研究活動 センターの研究活動

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複式授業基本用語集(抜粋)

(北海道教育資料研究会編『複式学級の授業展開』1986年より抜粋)
 

合 同 授 業

複式学校の通常2個学年の(極)小人数の学級一つに閉じこもったままの教育活動に終始するのでは、へき地性の効果的な解消に至らない。このため、一つの学校内で学級のわくを越えて、3個学年あるいは4個学年以上を一緒にして授業を行い、集団の中で考えを練り合わせ、思考力を伸ばす努力がなされている。 このように、一つの学校内で3個学年以上の児童を一緒にして授業を行う教育方法を合同授業と呼んでいる。
 

集 合 指 導

へき地教育の進め方として、同一町村内の複式学級の児童を一箇所に集め、各領域の指導計画の一部について、関係学校の教師の協力的な指導のもとで、教育活動を展開する共同的な教育方法のことを集合指導と呼んでいる。
 

交 流 学 習

学校規模や生活環境の異なる学校(へき地の小規模校と都市の大規模校)どうしが、姉妹校的な関係を結び、それぞれの学校独自では経験できない学習や、生活をさせる教育方法のことである。
 

学 年 別 指 導

上・下学年の児童に対して学年ごとの教科書あるいは指導事項に沿った教材を指導する指導方式をいう。

学年別指導には、次の二つの類型がある。
(1) 異教科の組み合わせ ― 1単位時間の中で、学年別に異なる教科の指導を行う。
(2) 同教科・異単元の組み合わせ ― 1単位時間の中で、上・下学年の児童に対して、同じ教科で、学年に応じた指導を行う。
 

同 単 元 指 導

複式学校の教科指導で活用されてきた学年別指導の問題点を補うために実践化されているものであるが、この指導法式の特徴は、同一時間と同一場面で複数学年の児童が同じ単元(題材、教材、主題等)を用いて同じような学習活動を行うところにある。 同単元指導は、複数学年児童の学年差と個人差についての配慮を基本的に行いながら、教師の側にとって、指導の容易性と効率化をねらい、児童の側に立っては、学習の集団化と個別化を追求するところに、その指導理念がある。
 

同単元(題材・教材)指導の類型

同単元指導計画は、大きく分けて次の二つの類型に整理してみることができる。 (1) 同単元指導一本案上・下学年ともに、一部を共通にし、大部分が同系統または、同じ領域のそれぞれ の学年に相当する内容を指導する。上・下学年指導計画は2年間を通して一つで2年単位で指導するものである。 (2) 同単元指導二本案上・下学年に同じような内容を指導する。

この指導の進め方には次の二通りがある。
ア.2個学年分の内容を2年計画にして、年度ごと(A年度、B年度)に教材を入れ 替えて指導する。
イ.2個学年分の教材を1年間で指導できるように精選して、それを2年間同じように繰り返して指導する。(同単元指導完全一本案とも言う)
 

一 本 案

上・下学年がそれぞれの学年の指導目標を達成できるように、その教科の同じ領域や分野の教材をできるだけ学年ごとに同じ指導時間に対応させて配列し、2年間を単位にして関連のある教材によって、上・下学年が同じような学習活動を展開する指導計画である。
 

二 本 案

上・下両学年の教材を合わせて、その2年間分について、指導内容の順次性や系統性などを考慮し、二つの1年間単位の指導計画にする。 換言すると 上・下両学年の教材がそれぞれA年度(第1年次)、B年度 (第2年次)に平均して分けられ、系統性、順次性についても十分な配慮がされる。したがって、年度ごとに教材が入れ替わることになり、いずれの年度においても、上・下両学年が同時に同じ目標あるいは共通目標のもとで、同じ教材で学習活動を展開する指導で、2年間を単位にして学習が完結するよう年間指導計画を作成するものである。
 

折 衷 案

同単元指導一本案を主体に、一部二本案を取り入れて作成した指導計画、または同単元指導二本案 を主体に、一部一本案を取り入れて作成した指導計画(ただし学年別の計画が入ることもある)を折衷案という名称で呼ぶことがある。
 

完 全 一 本 案

この指導方式は、上・下両学年分の教材を1年間で学習できるように教材を精選して単元(題材・教材)を構成し、これを2年間繰り返して指導する計画である。個人指導や個別指導に力点を置くなど指導の方法について計画的な配慮が必要である。
 

同 内 容 指 導

1単位時間の指導過程において、上・下学年に対し同単元(題材・教材)を指導していくとき、取り扱う教材が上・下学年とも同一である場合の指導をいう。 しかし、ここで特に留意しなければならないことは、同内容指導を複式指導の単式化という短絡的な考え方で受けとめないようにすることである。 同じ教材を用い、同じ指導の観点を設定して授業を組み立てたとしても上・下学年それぞれの指導事項を生かす場面を設定するなどの試みも提唱し強調されてきている。 したがって、教材の展開過程のどこかに学年別の学習活動を位置づけたり、特に個別指導に対する配慮も明らかにすることが大切である。また、教材の特質を考慮しないで同内容指導を強調することは、複式指導の本質をゆがめることになるので十分留意しなければならない。
 

同 程 度 指 導

1単位時間の指導過程において、上・下学年に対して同単元(題材・教材)を指導していくとき、取り扱う教材が同じで、しかも学年差をあまり考慮しない同一の学習活動を展開する指導をいう。上学年と下学年の能力差がほとんどない状態の場合や系統性、順次性のあまり厳しくない単元によく行われる。しかし、複式指導の改善充実を図る上から安易に1年間を通じ、あるいは一つの単元全体を、また1単位時間を通して同程度指導を行うことは慎重な配慮が必要である。課題把握、解決努力、定着、習熟・応用など、各指導段階のいくつかの場面で意図的に行うように工夫していくことなどが大切である。
 

異 内 容 指 導

1単位時間の指導過程において、上・下学年に対し、同じ単元(題材・教材)を指導していくとき、取り扱う教材が学年ごとに異なっている場合の指導をいう。しかし、同単元指導のもとでの異内容指導の過程には、上・下学年に共通な指導事項を設定できる教材や、指導の系統性、発展性からみて、繰り返しの指導を必要とするところは上・下学年が同一の時間帯で同じように学習する場面も比較的多く考えられる。
 

異 程 度 指 導

1単位時間の指導過程において、上・下学年に対し同単元(題材・教材)を指導していくとき、学年差を明らかにした指導のことをいう。教材は学年段階に応じて、系統性、適時性を踏まえて配列されているものである。したがって、取り扱う教材が学年ごとに異なる場合は、それだけで異程度といえよう。 しかし、上・下学年が同一の教材を用いる場合でも、それぞれの学年に示されている指導事項を明確にして授業を構成するときは、学年別の指導場面や個別指導の場面が必要となり異程度指導の過程が考えられる。
 

ガ イ ド 学 習

ガイド学習は、間接指導の効率化を高めるために考えられた小集団学習の一形態で、児童集団から選ばれたガイドが、教師の指導のもとに立てた学習進行計画によってリードしながら、共同で学習する学習方式である。
 

共 通 目 標

2個学年以上が、同じ時間において、同じ単元を学習する場合、両学年が到達する目標として設定されたものを共通目標という。共通目標は、教材が内包している価値内容を洗いだし、それに迫ることによって教材性が生かされるという視点から、具体的に設定されなければならない。したがって、その教材が独自に持っていて、他の教材にない価値内容を発見することが、教師の大事な仕事になる。また、能力差を勘案し、先行経験やレディネスの不足によって、到達に困難性を伴う内容は、共通目標にふさわしくない。適度な抵抗性があっても、到達可能なものを考えるべきである。
 

指 導 過 程 の 4 段 階

北海道立教育研究所では6段階の指導過程を提唱した。それを受けて複式形態の授業を進める際の流し方から4段階が考えられていった。4段階は2個学年が複式で学習する場合、教師が両学年に平等に指導を加えていくために好都合だったからである。

4段階とは 課題設定 ・ 定着・ 解決努力 ・ 習熟・応用・評価・発展
 

直 接 指 導 と 間 接 指 導

直接指導と間接指導は、複式学級の学習指導で従来から用いられてきた特殊な用語である。複式学級で学年別指導計画によって指導する場合に、教師が一方の学年を指導している間、他の学年は自学自習の学習方法をとることになる。この前者を直接指導、後者を間接指導と呼んでいる。
 

ず ら し

2学年を交互にわたり歩いて、直接指導と間接指導の内容を充実させ、学習活動を無理なく、効率的に行うようにするには、どうしても指導段階を学年別に「ずらした組み合わせ」が必要になる。この組み合わせを「すらし」という。
 

わ た り

同じ時間に複数学年を対象にして、異教材を指導するとき、直接指導と間接指導のバランスをとりながら、学習の成立を図らなければならない。教師は、その場合、直接指導と間接指導の組み合わせにしたがって、ある学年から他の学年へ交互に移動して、直接的な指導をしていくことになる。この各学年の間を「わたり歩く」教師の動きを「わたり」という。
 

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