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日本税理士会連合会による寄附講座(令和元年度・第13回)を開講しました

~租税法概論~
 
 令和2年1月9日、第13回目となる日本税理士会連合会による寄附講座を開講しました。当日は北海道税理士会旭川支部より小関健三氏(税理士、公認会計士、旭川大学教授)をお招きして、「租税法概論」と題した講義が行われ、「法とはなにか」、「租税と憲法」、「租税法律主義」や「租税公平主義」等について、学生への問いかけを交えながらお話いただきました。 
 「法」とは何かということから講義が始まりました。複数の意思主体(権利主体)がいるときに、それらの行動の規範となりうるルールが必要です。ルールがないと権利を主張し合って衝突が起こってしまい、文字通り無法状態となります。そこで、必要なのが衝突を防止するための権利配分についてのルールであり、国家レベルでのルールが「法」ということになります。そうなると、「法」とは、あるべき権利の配分についての決め事であると表現できます。そして、権利配分が適切に行われている(保障されている)状況が「正義」と呼ばれる状態であり、それが法の目的であると言えます。現実には、多様な法律の頂点にあるものが憲法であり、すべての法律は憲法を基にして作られています。
 これを租税の分野に当てはめると、国民が持つ財産権と国家が持つ課税権(徴税権)のなかで正義を実現しようとするものが、「租税法」です。日本国憲法第30条、同第84条に租税を決めるには法律に基づかなければならない旨が、それぞれ明記されています。租税は本質的に国民の「財産権」(同第29条)に対して侵害的であるので、選挙で選ばれた国民の代表である国会議員で構成される国会が定めた法律によって、租税が賦課・徴収されることが望ましいことになります。これが租税法律主義ということです。言い換えると、租税法とは税金を取るためのルールとしてではなく、国民の財産権の限界を規定するものとも言えます。租税の法源は、憲法にもある通り私たちが定める法律です。国民は投票権(参政権)が保障されており、そうすると、課税は国民の手の裡にあるとも言えます。
 租税法律主義の歴史は17世紀以降の市民革命に遡ります。時の権力者の恣意的課税から財産を守るため法の下での課税を要求し、またその決定に自分たちも参加できるようにしようという動きが、イギリス名誉革命やフランス革命でした。日本では19世紀に明治憲法で初めて租税法律主義を採用しますが、本当の意味での民主的な租税法律主義を定めたのは、戦後の日本国憲法です。
 講義後半は、租税公平主義についてです。租税公平主義とは、例えば1年で一律100万円というようにではなく、担税力に応じて税を負担するということで、憲法14条が根拠になります。ここで担税力を計る指標としては、所得や消費、資産等が挙げられ、これらを多く持つ人は担税力があると判断され、よりたくさんの税金を負担することが求められます。つまり、憲法14条の言う公平とは絶対的なものではなく相対的なものということができます。そして、自分自身の担税力を表明する制度、すなわち、申告納税制度を使って税金を納めるというのが、民主国家にとっては望ましい税の仕組みです。そうすると、申告納税制度下においては税務署とは本来的には確定申告書を受け、納付を収受する窓口ということになります。ただ、間違いは避けられないし、虚偽の申告をする人もいないとは限らないため、税務署はチェック機能も有していますが、あくまで税負担を決めるのは法律であり、終局的には国民(参政権)です。ちなみに、税理士は、このような制度において、納税者の代理人として機能します。
 受講生の皆さんが教壇に立って租税の授業を行う上で、また、大学卒業後に社会に出る上で、租税法は必要な知識であるというメッセージが、担当講師から強く伝わってくる講義でした。受講生は、担当講師からの質問に答えることや板書事項をノートに整理することで講義内容を理解し、意欲的に学習に取り組む姿勢がみられました。


小関健三氏


授業の様子
 

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