「演劇的手法による教師教育プログラム開発(略称)」事業のシンポジウム等を開催しました

本事業では、教師の「コミュニケーション能力」不足、いじめへの対応問題、体罰問題などがメディアで取りざたされている中、教科の知識習得だけでは賄いきれない教師の役割について、新たな具体的方策を考える必要があるのではないかということから始まり、「コミュニケーション」をテーマに、一体どのような授業が必要なのか、どのような教授法が適切なのかを考えながら、教員養成課程の学生並びに現職教員向けの授業開発と研究を行っています。
今回のシンポジウムは、「今、教師を育てるということ」をテーマとし、「教師と演劇の接点・かかわりについて再考し、教員養成大学における教師教育のあり方に新しい可能性を見出すこと」を趣旨としました。第1部では、本事業協力者であり、富良野塾をはじめこれまで広く役者養成に関わってこられた倉本聰氏による講演、そして第2部では倉本氏と4教員養成大学長(東京学芸大学、愛知教育大学、大阪教育大学、北海道教育大学)の対談が行われ、盛況のうちに幕を閉じました。
また、翌日の12月1日(日)には、札幌駅前サテライトにおいて、「教師教育と演劇的手法」研究会を開催しました。以下の全国の若手研究者から研究・実践発表があり、熱心な議論を交わしました。
発表者および発表内容
川島 裕子(北海道教育大学 特任研究員)
北海道教育大学における授業科目「コミュニケーション実践演習」の授業実践谷口 直隆(鈴峯女子短期大学 講師)
コミュニケーション教育の目標と方法 ~演劇的活動の意義と可能性~今村 陽介(富良野市立布部小学校 教諭)
演劇・映像表現の教育活用について ~富良野市の小規模校での実践から~花家 彩子(東京学芸大学大学院博士課程 院生)
如月小春「続・八月のこどもたち -演劇指導者養成編-」について ~如月は教師たちに何を教えようとしたのか~直井 玲子(小田原女子短期大学/東京家政大学 非常勤講師)
保育者養成における「演劇教育」本事業は今年度で最終年度となりますが、「大学間連携による教員養成の高度化支援システムの構築-教員養成ルネッサンス・HATOプロジェクト」へと引き継がれることとなる来年度以降も、これまでの3年間の成果をさらに発展・推進していきます。

