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旭川財務事務所長によるオンライン講演会を開催しました

2021年8月23日

 令和3年6月24日、財務省北海道財務局旭川財務事務所・所長の岡本彰夫氏をお招きして、「これからの日本のために財政を考える」と題したオンライン講演会を開催しました.

 はじめに「日本の財政の状況」を取り上げて、「財政」の定義を確認しました.国民が健康で豊かな生活を送るためには、教育や警察、清掃や医療といった多くの公共サービスの提供が必要になり、それらを行っていくためにももちろんお金が必要です.これらのようにみんなで使うものは、みんなでお金を出し合って実施するという活動を「財政」と定義しました。政府の経済活動に伴う歳出と歳入を一定の期間に区切って計画を立てることが「予算」と呼ばれるものであり、その期間とは歴年ではなく、4月1日から3月31日の会計年度で考えていきます.また、国の予算には「一般会計」と13の「特別会計」があります.学生にとって馴染みの少ない「予算編成の流れ」については、私たち学生にとって身近な経済活動である「財の購入」を例に挙げ、それに国の流れを対応させる形で、詳細かつ分かりやすく解説して頂きました.2021年度の国の一般会計歳出は106.6兆円で、主に社会保障、国債費、地方交付税交付金等に使われており、これらで歳出の約3/4を占めています.最大の歳出項目である社会保障の内訳や社会保障と国債費以外の支出についてお話していただき、例えば教育にはおよそ4億円の予算が使われています.その財源となる歳入が税収のほか、約1/3は「公債金(借金)」に依存しています.「ワニの口」と呼ばれる日本の財政状況の説明や、近年の新型コロナウィルス感染症への対策のため、歳出が突出して増大しています.税収については、所得税と消費税、法人税の合計が税収の大半を占めています.
億単位や兆単位の予算規模が日常生活の経済活動における金額と大きくかけ離れいることにご配慮を頂き、私たちのライフイベントを加味した「給付と負担」のイメージ図を提示されました.また、アルバイトにおける給与明細書や源泉徴収票などを、図表を用いてわかりやすい説明をして頂きました.学生アルバイトの「103万円の壁」や、学生納付特例制度についても言及があり、学生が実生活に活かすことのできる大きな学びになりました.

 次に、「高齢化で増え続ける社会保障費」と題し、お話ししていただきました。1990年度との予算比較を通じて、社会保障費の増大や、公共事業・教育といった他の経費は横ばいとなっていることを学びました.財政構造が大きく変化し、33.6%を社会保障費として計上しています.社会保障は、年金、介護、子ども・子育てから形成されていて、主な財源である保険料だけでは賄いきれない現状があることを学びました。社会保障費の増大の大きな要因である「高齢化」について、学生のイメージしやすい「サザエさん」というアニメの例を用いながらご説明いただきました.他国に類を見ない速度で高齢化が進行しており、それに対応する形で社会保障費を賄う税金や借金の増加を、分かりやすい図解で学ぶことができました.人口ピラミッドや、年代別人口比の変化予測の図・グラフを用いて、日本が待ち受ける「少子高齢化」について、財政との関わりを考えながら説明していただきました.

 最後に、政府が推進している「社会保障と税の一体改革」について説明していただき、「全世代型」の社会保証制度の実現を目指していることを解説頂きました.学生に1番馴染みの大きい「消費税」がなぜ、社会保障費を賄うことに使われるのか、といった学生が考えるであろう問いについて説明していただき、少子高齢化との関係で働く世代の減少が予測されることや、景気の変動に左右されにくいといったことがその理由でです.また、所得税率や法人税率の制度についても、国際比較を通じて日本の現状を学びました.少子高齢化や日本特有の税制や社会保障制度を通じて形成される受益と負担の関係について、国民が実感する負担感や制度の持続可能性(サステナビリティ)など多面的な観点から、引き続き国民全体で議論していく必要がある問題であり、個人としても考えていきませんかと講師からの力強いメッセージで締めくくっておられました.


 今回の講演は、日本の次世代を担う学生たちにとって、財政健全化と少子高齢化対策のための財源と税制はどうあるべきかを考える機会になりました.将来世代となる学生にとって望ましくない再分配や負担の増大などの状況を、受講を通じて自分に身近な出来事として捉えることができたのではないでしょうか.また、新型コロナウィルスに関わる財政状況の変化についても、実感を持って理解することができました.受講生は、自らを社会の一員として財政について自ら考えるきっかけになったことに加えて、「財政について児童・生徒たちに正しく伝えること」という社会科教員に求められる資質・能力を高める貴重な機会となりました.

〇配布資料の「これからの日本のために財政を考える」は以下のウェブサイトからダウンロードできます.
 【財務省「財政関係パンフレット・教材」】
  https://www.mof.go.jp/budget/fiscal_condition/related_data/

〇当日の様子は、旭川財務事務所のウェブサイトでも紹介されております.

令和3年6月24日に北海道教育大学旭川校で国の財政に関する講演を行いました~旭川財務事務所:財務省北海道財務局 (mof.go.jp)
 

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