NEWS(プレスリリース)素早さを「楽しく」測る新しい体力テスト「Nチャレンジ」の開発について
2022年4月5日
岩見沢校の森田憲輝教授をはじめとした研究グループが、「Content validity and reliability of an enjoyable multicomponent agility test for boys: The N-challenge test(男子児童での楽しい多要素アジリティテストの内容的妥当性と信頼性:Nチャレンジテスト)」という論文を発表し、英国スポーツ運動科学学会が発行する「Journal of Sports Sciences」誌において2022年2月28日より公開されています。研究の概要は以下のとおりです。
素早さを「楽しく」測る新しい体力テストの開発
研究成果のポイント
- 本校教員が研究・開発した,子どものための新しい体力テスト「Nチャレンジ」が,子どもの素早さ(アジリティ)を測るテストとしての妥当性があることが国際的に認められました.
- Nチャレンジは,多様な運動要素を含んだN字型のコースを走行する新しい体力テストであり,小学1年生から6年生の男子児童のアジリティを1度の試技で高精度に測定・評価できることを検証しました。
- Nチャレンジでは,90%以上の子どもが測定後のアンケートで「楽しかった」「またやってみたい」と回答し,これまでの「頑張る」「苦しい」テストとは異なる「楽しい」体力テストとなっていることも明らかになりました.
- コロナ禍に伴って,子どもの体力は低下傾向にあることが示されており,Nチャレンジのような楽しめる体力テストの活用は,その改善に向けた効果的な取り組みになると期待できます.
【Nチャレンジテストの概要】
図1. Nチャレンジテストの走行コース概要.
矢印線が走行コース.①〜⑥の各区間タイムと⑦総合タイムを測定:①反応時間(スタートライト点灯後,走者がスタートラインの前方60 cmの光電管を通過するまで),②6mスプリント(6mの距離に設置した2つの光電管間の走行タイム),③右ターン,④ハードル,⑤左ターン,⑥ジグザグ,⑦総合タイム(①〜⑥の合計タイム). 新型コロナウイルス感染症の流行に伴う活動制限等によって子どもの体力レベルの増加抑制傾向や低下傾向にあることが懸念されています.そのため,子どもの体力向上を支えるための基盤的環境の重要性は高まっている状況にあります.
「体力」のうち「アジリティ」という方向変換を伴う急減速や急加速など動きの素早さは球技スポーツの能力と関連します.それを測る体力テストに国内では「反復横跳び」が用いられていますが,国際的には「アジリティ」テストとしては認められていなく,また古くから反復横跳びは素早さ以外の体力要素の影響が強いことが指摘されていました.
本研究グループでは,N字型に走行コースを設置し,そのコースの中に直線走(スプリント),左右のターン,ミニハードル,ジグザグという複数の運動要素があり,それらの運動要素の個別タイムと総合タイムを1度の試技で高精度に測定・評価できる「Nチャレンジ」というアジリティテストを開発しました.この研究論文では,Nチャレンジが子どものアジリティテストとして妥当性があること,そして男子小学生の1年生から6年生までで高精度に測定できることを検証したことが認められました.
さらに,従来の体力テストでは「歯を食いしばって頑張る」「苦しい」テストが多いのですが,Nチャレンジ測定後の子ども達へのアンケートでは90%以上が「楽しかった」「またやってみたい」と回答しており,「楽しい」体力テストであることも明らかになりました.
コロナ禍に伴う子どもの体力低下傾向が示されていますが,Nチャレンジのような子どもが楽しめる体力テストは,その改善に向けた効果的な取り組みにつながることが期待されます.
本研究は森田憲輝(本学岩見沢校),石原暢(神戸大学大学院),山本理人・志手典之・奥田知靖(本学岩見沢校)らの共同研究によって実施されました.研究論文は英国スポーツ運動科学学会発行の「Journal of Sports Sciences」誌にて2022年2月28日よりオンライン公開されました.
「体力」のうち「アジリティ」という方向変換を伴う急減速や急加速など動きの素早さは球技スポーツの能力と関連します.それを測る体力テストに国内では「反復横跳び」が用いられていますが,国際的には「アジリティ」テストとしては認められていなく,また古くから反復横跳びは素早さ以外の体力要素の影響が強いことが指摘されていました.
本研究グループでは,N字型に走行コースを設置し,そのコースの中に直線走(スプリント),左右のターン,ミニハードル,ジグザグという複数の運動要素があり,それらの運動要素の個別タイムと総合タイムを1度の試技で高精度に測定・評価できる「Nチャレンジ」というアジリティテストを開発しました.この研究論文では,Nチャレンジが子どものアジリティテストとして妥当性があること,そして男子小学生の1年生から6年生までで高精度に測定できることを検証したことが認められました.
さらに,従来の体力テストでは「歯を食いしばって頑張る」「苦しい」テストが多いのですが,Nチャレンジ測定後の子ども達へのアンケートでは90%以上が「楽しかった」「またやってみたい」と回答しており,「楽しい」体力テストであることも明らかになりました.
コロナ禍に伴う子どもの体力低下傾向が示されていますが,Nチャレンジのような子どもが楽しめる体力テストは,その改善に向けた効果的な取り組みにつながることが期待されます.
本研究は森田憲輝(本学岩見沢校),石原暢(神戸大学大学院),山本理人・志手典之・奥田知靖(本学岩見沢校)らの共同研究によって実施されました.研究論文は英国スポーツ運動科学学会発行の「Journal of Sports Sciences」誌にて2022年2月28日よりオンライン公開されました.
【Nチャレンジテストの特徴】
Nチャレンジテストは専用測定システムによって測定を実施します※.子どもがNチャレンジ測定後,すぐに6つの区間タイムと総合タイムがパソコンに保存され,全ての走行タイムが専用用紙に印刷されます.小学校低学年児童でも10〜12秒ほど,小学校高学年児童では8〜9秒ほどで走りきります.短時間で測定が完了するため子どもは疲労感なく,また,ハードルやターン,ジグザグ走が組み合わさることで難しさも感じる運動になっています.その難しさを感じた後すぐに全ての区間タイムがわかるため,子どもたちにとっては何度でも挑戦したくなる体力テストです.
※測定システムの製造・販売元や測定事業受託先は下部に記載.
【Nチャレンジの測定動画】
URL: https://i-campus.hokkyodai.ac.jp/caps-child/support/n-challenge.html【本件の問い合わせ先】
○本研究の内容および結果
北海道教育大学岩見沢校 スポーツ文化専攻教授 森田 憲輝(もりた のりてる)
<E-mail:morita.noriteru@i.hokkyodai.ac.jp>
○Nチャレンジ測定事業の実施・運営・販売
一般社団法人SLDI<E-mail: info@sldi.club 電話 : 080-6038-3179>