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学長 平成29年度入学式式辞

 
 
 本日ここに平成29年度の入学式を挙行するにあたり、北海道教育大学の教職員を代表して一言ご挨拶申し上げます。
 北海道教育大学の学部、大学院、養護教諭特別別科に入学を許可された皆さん、入学おめでとうございます。皆さんのこれまでの努力に対し、敬意を表したいと思います。
 また、ご臨席いただきましたご来賓の皆様、後援会、同窓会の皆様に心から御礼申し上げます。そして、入学されたお子さんをこれまで見守り、支えてこられた保護者の皆様には、心よりお慶びを申し上げます。
 本年度は、学部1,240名、大学院132名、養護教諭特別別科39名の、合計1,411名が本学に入学いたしました。単科の教育大学としては、日本で最大規模を誇る大学です。皆さんはそのうちの一人として、これから本学で学んでいくことになります。


 皆さんが入学した北海道教育大学について、まず、その全体像を皆さんに知ってもらいたいと思います。後で各キャンパスの学生が自分のキャンパスの様々な活動について紹介することになっていますから、それを聞いてもらえば、本学が教員養成を担うだけでなく、国際地域学科と芸術・スポーツ文化学科が地域で活躍する人材養成を行っていることがわかります。つまり、一言で言えば、本学は教員養成機能における北海道の拠点的役割を担うだけでなく、現代社会と地域の多様なニーズに応える地域密着型の大学であると言うことができます。
 研究組織という面から少し説明を加えてみましょう。本学の教員は教育学部出身者だけでなく、文学部、経済学部、理学部、音楽学部など、専門学部出身者を加えた専門家集団から構成されています。それぞれの教員が、それぞれの専門分野での研究を行いながら、課程や専攻の目的・理念を踏まえた研究にも取り組んでいます。とりわけ教員養成課程及び国際地域学科地域教育専攻を担当する教員は、自分の専門性に基づいて学校教育と密接に関わる、いじめ問題に関する研究や、各教科の教材開発、評価、カリキュラム開発といった研究にも多くの時間を費やしています。ここが他学部とは異なっているところです。
 また、国際地域学科地域協働専攻では、少子高齢化やグローバル化を背景として生まれる地域の多様な課題を、国際的な視野から俯瞰しつつ、組織全体として、地域学と括ることのできる研究に取り組んでいます。
 さらに、芸術・スポーツ文化学科では、芸術やスポーツが持っている、人に安らぎを与える文化的な力、人を慰め元気づけ、絆を強めるという働き、そういった、芸術やスポーツが本来的に持っている“文化力”を地域社会の様々な課題を解決することに活かす方策を模索しながら研究を行い、「芸術・スポーツ文化学」という新たな学問を構築しようとしています。
 今述べた、地域学的な研究は、地域の歴史・文化・自然・産業等に関わる“生きた教材”を提供することにもなるし、芸術・スポーツ文化学的な研究は、音楽・美術・体育の役割や意義の理解を深め、またその理解を豊かなものにするための多くの事例を与えてくれることから、学校教育とも密接な関連性を持っています。二つの学科が教育学部の中に置かれている意味はそこにあります。これは北海道教育大学の大きな特色となっています。
 
 さて、皆さんは、これからそれぞれの専門的なコースに分かれて勉強することになりますが、これから積み上げていく学びの一つ一つは、囲碁にたとえるなら布石のようなものです。学校を含めた現代社会が求めているもの、あるいは課題に立ち向かうとき、その石をどうつないで自分の地をつくっていくかは、一人一人の戦い方によって違ってきます。従って卒業後の、あるべき自分の姿をしっかりイメージして、学ぶ意味を自分自身で理解・納得しながら、必要な石を必要な場所に打ち込んでいってもらいたいと思います。
 そのために、社会が皆さんに期待していることについて少し具体的な話をしましょう。
 今、教師に求められていることは、学校教育法に定められたいわゆる「学力の三要素」を育成する力であり、加えて、多様な人間関係を結んでいく力の育成と、グローバル化に対応した教育能力、ICT活用能力です。さらに、「主体的・対話的で深い学び」を実現するような学習活動を構想し、実際に指導できる力量を備えていることが要求されます。
 本学の教員養成課程カリキュラムもそのことを踏まえたものとなっていますが、さらに必要な石は皆さん自身が見つけ出して付け加えてください。
 国際地域学科に関連して、地域・社会が求めていることは、「グローバル人材育成」、「地域の国際化への対応」、「『食産業立国』ほっかいどう戦略への対応」、「地域の観光資源を活用した広域観光・滞在型観光の振興」、「活力ある高齢化社会の実現」、「地球環境問題への対応と循環型社会の実現」などです。
 そのようなことが求められている社会に出て力を発揮するためには、自らがグローバル人材となるために、ツールとしての語学力とコミュニケーション力を鍛え、幅広い教養を身につけて日本人としてのアイデンティティとは何かということに対する考えを確立しておかなくてはならないでしょう。そのための学びが用意されています。
 芸術・スポーツ文化学科との関連でいえば、「ライフステージに応じた健康づくり・生き甲斐づくり」、「文化・芸術の、教育・福祉・まちづくり・観光等への活用」、「コミュニティの衰退と芸術文化の担い手不足」、「障害者を含む地域住民が主体的に参画する地域スポーツ環境の整備」、「学校と地域における子どものスポーツ機会の充実」などに期待がもたれています。
 自分が得意とする技能を磨くとともに、それ自体が持つ社会的意義とその活用のための方法論、及びビジネス手法を実践的に学ぶことが何よりも重要です。この学科こそ個性あふれる戦略がいくつも生まれてきそうな予感があります。
 
 どの専攻に所属しているとしても、学びの成果というものは明日・明後日にすぐに現れてくるものではありません。しかし、着実に一歩ずつ進んでいけば、4年後には間違いなく今の自分とは違った、自信にあふれた自分がいることになるはずです。そのことを強くイメージして大学生活を送ってください。いい先輩が鑑になるでしょう。
 大学での学びは、先ほどは囲碁にたとえましたが、ジグソーパズルにも似ているかもしれません。最初は全体像がつかめず、一つ一つの学びの意味も断片的かもしれません。しかし、学年進行とともにピースが埋まり、形が現れ、次の学びのピースの意味が、全体像に照らしてよく理解できるようになっていきます。その頃には、恐らく学ぶことそのものが楽しくなり、身につけた知識を未知の課題解決に応用できるだけの力がついているでしょう。そしてパズルが完成すれば、満足感とともにそれまでとは違った理解に到達していると思います。自らの専攻におけるジグソーパズルを完成させてください。もちろん、大学の教員の側にもそのパズルを完成させる責任があります。一緒に頑張りましょう。
 
 大学院にあっては、学部教育の上に、あるいは学校現場での経験もさらに積み重ねた上に、より高い専門性と研究力、実践力を身につけてもらうためのプログラムを用意しています。学校現場の課題を広く俯瞰する目と問題点に気づく目をさらに鋭敏なものにして、課題解決に導く方法を理論と経験に照らして計画し、それを実践して検証・評価する、そういった一連の取り組みを繰り返すことで、自分の実践を相対化・理論化していくことができます。高度専門職業人として成長してもらい、その成果を学校現場に還元してもらいたいと思います。

 
 課程と学科、大学院におけるそれぞれの学びについて述べてきましたが、人間、カリキュラムだけで育つわけではないことを私も十分理解しています。読書、サークル活動、ゼミ活動、アルバイト、留学など、様々な経験と人間関係の中で人は育ちます。自分と共感しあえる仲間がいることも、これからの大学生活にとって、とても大事なことです。
 将来どんな職に就こうと、人との協働が欠かせないと思います。円滑なコミュニケーションをとれることも大事になってきます。相手の立場に立って物事を考えることができる、主観的な思いをぶつけ合うだけでなく、客観的に問題を俯瞰して解決策を見出すことができる、そんな能力が社会における人との対話には必要です。
 併せて、多面的な情報に基づいて判断することも大事なことです。例えば円錐を平面で切断したとき、その断面には円、楕円、放物線、双曲線が生まれます。一つの断面から、元の立体が円錐だとはわかりません。言葉を換えれば、真実が一つでも、見方・とらえ方・重点の置き方で、事実としては異なって見えることがあります。一つの考えに接したとき、別の見方はないのか、角度を変えて捉えてみれば違う姿が現れるのではないか、常に客観的な事実を基に自分自身で考え、真の姿を確かめる癖をつけておくことが大事です。人との対話を重ねる努力を惜しまず、そんな力を少しずつでも身につけてください。きっと将来役に立ちます。
 グローバル化した社会で活躍するためには、ツールとしての英語能力を磨いておくと自信が持てます。まず留学してみる、あるいはそこまでじゃなくても海外に行ってみる、洋書を読んでみる、留学生と積極的に対話するなどの活動が、もっと英語を勉強しようという気持ちを高めてくれます。それは、人間というものが本来的に他人の思いを知りたいという生き物だからでしょう。そのような勉強と並行して、他の国・地域の歴史・文化・人となりを理解し、日本人としての自分を捉え直してみることも大事なことです。



 本学は今述べてきたような学生の課外活動や留学を積極的に支援しています。また、学生の課外活動等には後援会からの支援を受けています。保護者の皆様方に感謝申し上げなければなりません。学生のサークル活動やボランティア活動、海外研修などに後援会費を有効に使わせていただいております。後援会に対するご理解・ご協力、大変ありがとうございます。
 さらに、多くの企業・団体、同窓会、保護者の皆様、教職員から寄附を賜り、それを「北海道教育大学基金」として育英事業、表彰事業、修学支援事業、課外活動支援事業等に使わせていただいております。今後益々、様々な面での学生支援が必要になるだろうと考えています。今後ともよろしくお願い申し上げます。



 それでは、皆さんが充実した学生生活を送れることを祈念して、私からの式辞といたします。
 本日は本当に入学おめでとう。

 


 
      
   平成29年4月2日
      北海道教育大学長 蛇 穴 治 夫
 

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