専攻紹介教育心理学分野
紹介・特色
「心理学」とは何でしょうか。心理学を学べば相手の心がわかるようになる・・・と思っているのなら、それは大きな間違いです。
教育心理学分野では、人の心の動きや、しくみ、外にあらわれる行動などを科学的に解明し、それをどのように教育に生かすかを考えてゆきます。「心はこのように働いているのではないか」という考えを確かめるには証拠が必要です。そのために様々な方法でデータを取り、それを分析して、「やはりこのように働いているという証拠が確かにある」と示していくのが、心理学の方法論です。そのためには、心理学の様々な専門知識だけでなく、データの取り方やデータの分析方法も同時に学ぶ必要があります。
教育心理学分野では、まず心理学の基礎知識やデータ解析の方法を学びます。その後、教育心理学、発達心理学、臨床心理学、社会心理学、認知心理学などの様々な領域における専門的な知識と方法論を学ぶと共に、実際に実験や調査などを行い、研究の仕方についても体験的に学習します。そして、最終的には現代の学校が直面している様々な教育課題に対して、それまでに学んだ心理学の知識とスキルを活用して、取り組むことのできる能力を育てます。
「心理学実験・アセスメント」心理実験・心理検査を実施し分析することを通して子ども理解に役立てます。
「心理学実験・アセスメント」の「バウム・テスト」で「木」を書いている様子。
「卒業論文発表会」この卒論生は、ほめることが子どもにどのような心理的影響を及ぼすかについて実験調査を行い、その結果をまとめて発表しました。
履修の流れ
1年目 | 心理学の基礎知識や研究のためのスキルを学びます。 「心理学と学校教育」:現代の学校教育や発達・学習における諸課題について心理学の立場から考えます。 「人文科学入門(心理学)」:一般的な心理学の基礎知識を幅広く学びます。 |
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2年目 | 心理学の実験や調査などの研究方法を学びます。 「心理学研究法」:実験や調査のデータをコンピュータを使って統計的に分析する方法を学びます。 「心理学実験・アセスメント」:実験・調査・心理検査の方法、データの解析方法、論文の書き方を実践的に学びます。 |
3年目 | 2~4年生の間に、心理学の各領域の講義や演習を受講します(「認知心理学」「発達心理学」「教育心理学」「社会心理学」「臨床心理学」など)。 「心理学応用実験」:各研究室に所属して、それぞれの専門的なテーマに基づいて、実際に研究を行います。 |
4年目 | 4年間の集大成として卒業論文に取り組みます。 最近の卒論テーマ例:「説明することで文章理解は促進されるか?」、「過去のいじめられ経験は現在の対人関係に影響するか?」、「小学生の保護者の子育て不安と学校への関わりとの関連」等 |